堀口天満天神社

明るい陽射しだが風が強くて冷える中を昼過ぎに歩き出す。椿峰の遊歩道になっている尾根道を西に。路線バスが小手指に折れるところから山に入る。墓地とゴルフ練習場をすぎる。雑木林が鳴っている。人が踏み歩きつくられたのが道である。揺れる樹木の枝。うねるような起伏。ひと気がない。右手に小さな茶畑が見えたところで案内板。舗装道路を左に降りていくと神社らしい。

ゆったりとカーブしたところに小さな神社の建物が見えた。神社の前も茶畑で辺りには埼玉県の緑のトラストの対象地であるという表示がいくつもたっている。トトロの森もこのエリアにいくつかある。その関係が表示を読んでも今一つわからない。天満天神社。みごとな神社である。おそらく北野天満天神社を堀口の人たちが勧請したのだろう。

天満天とは珍しい言い方だ。物部天神社に天神なり天満宮なりを極めて初期に重ねたためにそう言われるのだろう。神祇のもう一方の地祇社は地主神としての稲荷や出雲系の氷川などに形を変える。天神とバランスをとるのだ。天地というよりアメツチ。堀口では八坂神社でスサノオ

掬水亭のレストランの名は天外天。屋上屋のようでしつこい。しかしアマテラスの統治を覆すような道真の怨霊は天満宮なり天神で表現すべき唯一の対象である。八坂神社も牛頭天王ゆえ天王社と呼ばれていたが明治になって直されてしまった。天満天、いいではないか。