2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

徒然草 序段 島内裕子訳

徒然なるままに、日暮らし、硯に向かひて、心にうつりゆく由無し事を、そこはかとなく、書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。 さしあたってしなければならないこともないという徒然(つれづれ)な状態が、このところずっと続いている。こんな時に一番よ…

地元野菜のカレースープ

鶏ガラ顆粒と煮豆は出来合いだが、白菜、じゃがいも、人参、ブロッコリーと地元の素材で夕食。

定家の構成法、禅林詩の表現法

…『中世の文藝』のほうは、のっけに批評と大書した旗印を掲げただけあって、作品の批評、分析、考察がゆきとどいているのはいうまでもない。定家が『新古今和歌集』の排列で試みた、「断(き)れながら連(つら)なり、連なりながら断れる」という構成法が、…

昭和二十年十二月十七日

公は(十六日未明)二時頃、通隆君に、「僕の心境を書こうか」といはれ、通隆君に筆と紙を要求されたが、附近に筆がなかつた為、鉛筆を渡し長い紙を切って渡した処、「もっと立派な紙はないか」といはれ、近衛家の便箋を探して、左の如く書いて渡された。 僕…

芭蕉、行脚の俳諧師、旅の俳人

東京の多摩に福生市というところがあります。そこの森田家という旧家の蔵書を調査したことがありますが、森田家は、明治の初めに松原庵四世友昇という俳人を出した家で、俳書が蔵書の大半を占めているのは当然のこととして、その他に幕末から明治にかけての…

下北沢で一冊

下北沢に寄りニューウェーブ古書店で、島内裕子校訂・訳の「徒然草」(ちくま学芸文庫)を購入。

足首のかゆみと右肩のいたみ

下着に長いタイツを履くようになったせいか、足首からふくらはぎ向うずねのあたりがかゆい。また最近は朝起きると右肩それも首筋がいたくて息ができないほどである。電車に乗るとすぐにうたた寝になる。しかしいずれも、どうやら体調の回復を示しているよう…

渋谷川の演歌と奥多摩の神社

土曜の夜は李白のイベント。音楽評論家の北中さんが演歌の歴史を語る。発端は川上音二郎。しかし話のスジは、どうやら浪曲に流れ込む日本の豊かな語りの伝統。これに洋楽が入ってきて、様々な端唄から民謡などが再生されて。60年代後半に確立する演歌は、…

プレ・リブリ展と中古本ショップ

夕方まだ小一時間あるので神保町を歩くが収穫なし。茅場町の紙会社ギャラリーで知人のグラフィックデザイナーが写真家とはじめたリトルマガジンレーベルの展示会。そのレセプションに、紙と印刷フェチの旧友と訪れる。すでに3年前の恵比寿の個展よりも、厚…

国立から歩いても2時間ほどらしい

昼過ぎに東大和の新青梅街道沿いのGSでミーティング。天気も良く歩いてみるとなんと45分で着いてしまう。同僚に上北台までクルマに乗せてもらい本社でまた一仕事。ふところが寒いのだけど思いついて国立へ。しかも古本屋で2冊購入。高木市之助「平家物…

あっという間に歳をとる

もうすぐ平成24年である。きのうは高校同窓会の懇親会とかつて勤め先で同僚だった女性の出版記念イベント。かれこれ30年だったり、20年だったり。近くは6年前のタイムズスクエアで新年カウントダウン。それからが人生でいちばんの難関だったらしい。…

忙しい土日

雨の土曜は拝島で終日の研修。夜は駅前のラーメン屋でビール。日曜は晴れて昼は立川のホテルで高校同窓会の秋の懇親会。合唱部の沖縄民謡がよい。若手のテーブルではケータイからFBの友達リクエスト。銀座で仕事という一つ下の元展示委員長と中央線。中野…

和文と駢儷体

和漢融合文は、和文脈のなかに漢語ないし漢文的な言いかたを採りこむだけで成り立つわけではなく、そこには文体としての「雅」を感じさせるほどの洗煉が無くてはならない。そういう洗煉が生まれた背景として、採りこまれた漢文的な表現がすでに高度の洗煉を…

うららかな新酒 よるひるな昔話

夕方、本社で仕事のあと6時近くに国立入り。うららかボジョレヌーボー祭り。店頭でミニオードブルセットとワンコインヌーボー。国立ラベルを頼んだら若き常連男性が登場。店内に移動しておしゃべり。店主からバイトくんが高校後輩と聞く。まだ大学生。クラ…

「本意」への回帰

…人格化された神が登場し、筋の展開をもつ神話は、いちばん本格的な神話だが、さまざまな事物について民族意識の奥底から滲み出すものが形をなしたとき、形の大小や構造に関わらず、それらをすべて神話と認めるならば、光源氏の「光る」や輝く妃宮(ひのみや…

李白 詞

詞’という詩形は、別名、詩余とも呼ばれ、古典的詩形が、五言か七言かに決まっているのに、古代の歌謡のメロディーに乗せて、新たに作られた歌詞であり、宋代に最盛期を迎えたが、この頃は既に曲そのものはすべて亡び、それぞれの歌のリズムだけが残っていた…

田無の一番搾りに渋谷の将進酒

とても冷え込んだ木曜日には西東京市に本社のある会社で店長研修。さすが客商売の人たちは呑み込みが良くてゲームも盛り上がる。熱気をたずさえて引き続き田無の白木屋で懇親会。賞品発表でさらに沸き立つ。先方の管理職と私たち4人でテーブルを囲み様々な…

狩野先生の学問

そして尚書を勉強していった。しかし時間がなかったりして予習、つまり先を読んでない。それでも大体の意味を知っとかなきゃいかんと思うからね。『国訳漢文大成』という本がある。その中に宇野哲人さんが書いた尚書がある。宇野さんも大学者だとこっちは思…

文人趣味とは

文人趣味というものは、花を自分の机の隅に飾る、あるいは客が来た時に床の間のようなところにおく、そして花を楽しむという気持ちを植えつけたのです。その手続きを持ってきたのが、まあ複数いたでしょうけど、記録に残っているのは俊芿であり、曇照である…

天下市の国立

昼過ぎに国立。古本屋で、中公文庫「細川護貞座談 文と美と政治と」。大学通りの歩道が混雑して一橋大校門に達する前に10分ほど渋滞。ノイフランクのテントでスモークチキンを買う。ソーセージには長い列。うららか国立には常連の男性がひとり。ハートラン…

真・善・美

日本の社会の価値観は、天保大飢饉あたりからだいたい30年くらいで、真善美をくりかえしているように思える。幕末の動乱から維新までが志士の文学ではないが「まこと」を探る。文明開化では西欧の思想流入から「善の研究」が必要とされ、生活水準が上がると…

所沢で六冊

仕事をすませ昼過ぎ所沢くすのきホール。今年最後の「彩の国古本まつり」で六冊収穫。まずは、安東次男「詩 その沈黙と雄弁」(昭和44年 イザラ書房 函少汚帯有)。それから復本一郎編「芭蕉連句評釈」(昭和49年 雄山閣出版 カバ無)、小林太郎「東村山の石…