真・善・美

日本の社会の価値観は、天保大飢饉あたりからだいたい30年くらいで、真善美をくりかえしているように思える。幕末の動乱から維新までが志士の文学ではないが「まこと」を探る。文明開化では西欧の思想流入から「善の研究」が必要とされ、生活水準が上がると大正デモクラシー、美を求める消費文化。関東大震災のあとの反動では、また「真実」が渇望され戦争の災厄から脱するまでそれが続く。しかし戦前の西欧と同じで米国が復興のモデルとなり、簡単に「経済が善」となってしまい、それが進むと80年代にはサブカルチャー全盛。ようやく雑多な美ではどうしようもなくなったと感じたところに、東日本大震災ギリシア危機。これからは尊皇攘夷が原理となるかも。