米上院、妥協案採決への投票延期 債務問題めど立たず

2011/7/31 13:04 日経

 【ワシントン共同】米議会上院は30日、米債務上限引き上げ問題をめぐり、31日未明(日本時間同日午後)に予定していた妥協案採決に進むための動議への賛否を問う投票を、31日午後(同8月1日午前)に延期した。

 与党民主党が主導する妥協案について、野党共和党の支持を得られるめどが立たないため。与党指導部は引き続き、超党派の支持が得られるよう歩み寄りを模索する。

 動議の可決には上院の定数100のうち60票以上が必要で、野党の取り込みが欠かせない。動議が可決されれば、上院は8月1日に採決に踏み切る見通し。

 上院民主党が主導する妥協案は、大統領に上限引き上げの権限を与え、財政赤字削減の協議を踏まえて段階的に引き上げることができる内容。30日夜の時点で上院共和党の反対に直面している。

 妥協案への野党の支持が得られ上院で可決されれば、同案は下院に送られる。下院でも可決できればオバマ大統領の署名を経て、債務上限の引き上げが可能となる。政権と議会指導部は8月2日の期限までの決着を目指している。

 妥協案が上院で可決しても、野党が過半数を占める下院では上限引き上げ自体に反対する野党保守派が譲歩を拒んでいる。下院で可決するためには、野党の相当数の賛成票が必要となりそうだ。