首相 エネルギー政策組織の再編を

7月31日 17時53分 NHK
菅総理大臣は、長野県で開かれたシンポジウムであいさつし、経済産業省原子力安全・保安院について「やらせの問題が事実だとすれば、メーカーの利益を尊重した薬害エイズの構造とそっくりだ」と批判したうえで、エネルギー政策に関する組織の抜本的な再編に取り組む決意を示しました。
菅総理大臣は、31日午後、長野県茅野市で開かれたエネルギー政策の在り方を考えるシンポジウムに出席しました。この中で菅総理大臣は、経済産業省原子力安全・保安院が、中部電力に対して質問が反対派に偏らないよう要請していたとされる問題について「保安院のやらせの問題が事実だとすれば、メーカーの利益を尊重した薬務行政の薬害エイズの構造とそっくりだ。原発の安全性を国民の立場でチェックしなくてはいけない保安院が、逆に推進する側のお手伝いを越えたことをしている。根本的な問題だ」と批判しました。そのうえで「現在の原子力行政や組織は、原発事故への対応力が全く欠けている。自民党の橋本政権のときに省庁再編が行われ、いろいろな委員会などが、内閣府に並列的に存在するようになったことなどが、混乱の原因になっている。しがらみのない立場で、抜本的にエネルギー・原子力行政を立て直していく」と述べ、原子力安全・保安院経済産業省からの分離にとどまらず、エネルギー政策に関する組織の抜本的な再編に取り組む決意を示しました。