国分寺ご当地弁当で、地元も被災地も元気

2011年07月26日 朝日新聞多摩版

 国分寺市の地場産野菜を具材に使った「ぶんじ弁当」が、JR国分寺駅前(国分寺市)の空き地で売られている。国分寺の愛称「ぶんじ」を冠したご当地商品で地元農業や観光に貢献し、売り上げの一部を東日本大震災義援金に充てる。「被災地も地元も商店主も幸せに」という地元の飲食店主らの取り組みだ。
 「美味(おい)しい弁当で街が笑顔になって 東北地方の被災地支援に繋(つな)がります」
 7月上旬の正午前、そんな言葉が掲げられた販売所に麻婆弁当、冷製パスタなどの「ぶんじ弁当」7種類が並んだ。ナスやズッキーニなどの野菜はほとんどが地元産。価格は500〜600円程度で、収益の1割ほどが被災地への義援金に充てられる。
 中華料理店や菓子店など市内の飲食店5店が参加する販売所は5月上旬に開店した。発起人は同駅周辺でハンバーガー店を営む萩原昌幸さん(37)。3月11日の震災直後、飲食店の売り上げが激減し、コンビニ弁当が売れていると聞き「被災地支援を兼ねて弁当を販売できないか」と思いついた。
 場所は地元農協の直売所がある国分寺駅北口周辺の市有地。直売所の野菜を具材として「国分寺らしさ」を出すねらいだ。市、農協の快諾を得て、地元商工会の支援も受けた。
 オープンから2カ月余。月、金曜の週2回開いている販売所でこれまで約1800食を売り、約8万円の義援金が集まった。開店から1時間ほどで売り切れる日もある盛況ぶりだ。萩原さんは「震災の支援が落ち着いても、国分寺の名物として残し、街おこしに役立てたい。国分寺市内のほかの駅にも取り組みが広がれば盛り上がりますね」と期待している。(岡戸佑樹)