荒幡富士と薄影富士

勝光寺の裏、山口中学校のわきからの景色をみながら峰を下る。川筋とおぼしき道をたどり踏切を超えてすすむと泉橋そして関地蔵尊にあたる。荒幡の地を道なりに南にゆっくり上っていく。途中で芝生の丘があり表示がないが階段を上がる。荒幡小学校のわきのドレミの丘だ。ここも景色が良い。明生病院のあたりも見える。尾根道をすすむと浅間神社の鳥居の前に出る。

広場のなかの本殿は柵をあたらしくつくりなおしてとても手入れが行き届いている。おおきな荒幡富士にのぼり南北360度を見渡す。所沢や小手指。足元には西武園ゴルフ場。観覧車や掬水亭など。のんびりした光景である。本物の富士山は薄曇りでみえない。

西武園西まで歩き西武山口線で西武園球場まで。そこからまた歩いて山口観音を抜けて玉湖神社へ。予想通り神社というよりモニュメント。コンクリだが荒れ方がひどい。殉職者の碑が並んでいてあまり気持ちのいいところではない。むしろその裏手の高台からの眺めがよかった。両貯水池の給水塔あたりがみえるのも良いが遠く山並みが美しい。

なだらかな稜線が幾重にもひろがり薄曇りの空を背景に秩父の山が並んでいる。その一角であの斜めの台形の上辺のラインが薄くみえた。富士山だ。薄いシルエットだが特別な姿は見間違うことがない。堤防から見た狭山湖の真中に冬木立の半島が迫っているかたちも好ましい。帰り道に迷う。長くて疲れてコンビニで缶ビールを買って帰る。