にぎやかな夜とやすらかな朝

造化に従い四時を朋すと芭蕉は言った。部屋のカーテンをあけて通りの向こうに咲いた桜を静かに眺める。うすぐもりの空に風があって木々は揺れている。壁を背にした椅子に座り肩をほぐしたり、苺を食べながら頭が働きだすのを待つ。コーヒーをいれてテーブルにつき今度は南側の雑木林をながめる。斜面の土が草色を増して枝先に芽吹きが満ちているのがわかる。きのう古本屋で買った「菅家文章」なる漢詩集をひもとく。春を喜ぶ鳥の声だ。昨夜はたくさんの人と話した。