狭山公園の南の森

天気がよく暖かだった。ベランダから見える雑木林が実に美しい。桜は遅咲きでちょうど見ごろ。青々とした新緑が背景に広がっている。少し赤や黄の色の混じった若葉やら冬から変わらぬ常緑樹の濃い葉が見事な配置で重なり合う。高いところの幼い小さな葉が青空になびいたり、林に陽がさして木立の奥行きが際立つのは初夏が近いのを思わせる。マンションの周囲では立木の花や道端の草花が目を楽しませてくれる。のんびり歩いて坂を下りまた上って多摩湖の湖畔にいたる。うぐいすが鳴いている。堤防のうえで何度も立ち止り湖を取り囲む雑木林の何ともいえない美しさに見とれる。子供の頃には来たことのなかった公園の小高い森を歩く。やまつつじの小さな赤い花にときめく。南の森という狭山丘陵らしい景観のあたりから下って、あの武蔵大和駅に。