首相、消費増税「政治生命かける」 衆院解散にも含み

2012/1/14 13:03 日経

 野田佳彦首相は14日昼のテレビ東京番組で、消費増税を含む社会保障と税の一体改革について「私の政治生命をかけてやり抜く」と述べ、実現に決意を表明した。政治・行政改革を含め「できるかできないかのあかつきにはいろいろな判断があるかもしれない」と語り、実現しない場合の衆院解散・総選挙の可能性を示唆した。フランス国債の格下げを踏まえ、日本の財政運営に危機感を示した。


 首相は一体改革と行政改革、政治改革を挙げて「解散うんぬんの以前にまずやり遂げなければいけない。やらなければいけない改革をきちんと結論を出し、実現していく」とも強調した。「まずは実現できるように今は野党に呼びかけていく」と、野党各党への協議要請を続ける考えを示した。

 首相は「民主党政権うんぬんじゃない。この国を守るために、未来に残すために、一体改革を貫いてやり抜く」と力説した。そのうえで「苦しいことをお願いする政権党になりたい。ぜひ、真剣に耳を傾けて判断をしてもらいたい」と、国民に理解を呼びかけた。

 欧州債務危機に関しては「対岸の危機ではない。フランスですら国債の格付けが下がる状況だ」と指摘した。「日本も今さえよければいいという財政運営をずっと続けることが見えてしまったら我が国にスポットライトがあたる」と語った。

 首相は「相当な危機感をもって財政運営にあたらなければならない」とも強調。社会保障制度の改革では「効率化・重点化しなければならないところがある。不断の努力でやっていく」として歳出抑制策にも取り組む考えを示した。

 定期点検などで運転停止中の原子力発電所の再稼働に向けて「ストレステスト(耐性調査)などのプロセスがあった後どうしてもお願いしなければならないときは、枝野幸男経済産業相か私が直接行って知事を含め関連の首長、住民に説明する」と話した。

 沖縄県の米軍普天間基地移設問題は「強行して断行することは考えていない」としたうえで、5月に予定される太平洋・島サミットの前に沖縄を訪れる意向を示した。